2011年9月10日

インドへの旅

 博物館本館2階で開催中の「岩崎巴人展―水墨画の世界―」の展示が一新しました。

 テーマは「インドへの旅」


展示風景

展示風景

 皆さんもご存じのとおり、館山市名誉市民の画家・岩崎巴人さんは、平成22年5月9日に亡くなられました。館山市立博物館では、館山とゆかりの深い巴人さんをしのび、常設展として長期間たくさんの作品をご紹介しています。

 巴人さんが奥さんとともに初めてインドへ旅立ったのは、昭和46年。
 館山市見物に移住した後のことでした。
 昭和48年には、再びインドを訪れ、ブッダガヤの聖地大乗院日本寺に仏伝画を奉納します。
(この奉納画を描くために、毎朝4時から7時まで、ブッダが悟りを開いた木のもとで座禅を組むこと100日!そのうち、スズメが頭にとまったとか。すごいですね)
 そして、インド巡礼後の昭和52年、60歳となり還暦を迎えた巴人さんは、京都の禅林寺で出家しました。


ブダガヤの村(ブダガヤ(ブッダガヤ)は「ブッダ」が悟りを開いた地)

ベレナス(「バラナシ」とも。ブッダが悟りを開いた後、初めて5人の修行者に説法をした土地近郊の都市)


 巴人さんの多くの作品には、仏教的なテーマが描かれています。
インドへの旅は、さらなる作品を生み出す力となったことでしょう。

 今回の展示では、インドの地を描いた「雲行仏国土絵巻」や「西天印度帰朝記念」のリトグラフ、ブッダが生まれる前の物語集「ジャータカ物語」を描いた作品などを展示しています。


ジャータカ物語「もっと羽を!」

 ジャータカ物語は、日本の「今昔物語集」にも影響を与えた説話集です。
 暮らしに困った母娘のもとに父親が金の鳥となって生まれ変わります。
 金の羽を売って母娘の生活は豊かになるのですが、もっともっと、と…

 他にも不思議でおもしろい話がたくさんあります。
ぜひ、博物館でお話を確認しに来てくださいね。