2012年4月19日

シリーズ社会科見学20 鉄道博物館(その2)

埼玉県さいたま市の鉄道博物館でみつけた、館山に関係する展示を紹介する2回目。

今日は、C51形式蒸気機関車です。

C51形式は、大正8(1919)年から昭和3(1928)年にかけて289両も量産された国産初の高速旅客用テンダ式蒸気機関車です。


C51形式5号機 大正9(1920)年製造

C51形式は、当時の日本の動脈、東海道・山陽本線に投入され、その高い性能から昭和5(1930)年から運転を開始した特急「燕」(つばめ)の牽引機に選ばれました。

性能が安定していたため、C51形式236号機と239号機の2両は、お召し列車の専用機関車に指定されていました。

お召し列車とは、天皇・皇后・皇太后が利用されるために特別に運行される列車です。

特にC51形式239号機は、昭和3(1928)年の昭和天皇御大礼をはじめに、昭和28(1953)年4月4日に、昭和天皇・香淳皇后をお招きし、富津岬で行われた第4回全国植樹祭まで、お召し列車を100回を超える回数牽引しました。



お召し列車を牽引し、房総西線(現在の内房線)を走ったC51形式239号機は
京都市の梅小路蒸気機関車館で静態保存されています。


昭和天皇・香淳皇后両陛下は、富津岬で行われた第4回全国植樹祭の約1カ月後の昭和28年5月6日、館山市に行幸されています。


昭和28年6月15日付の館山市広報に、天皇皇后両陛下のご巡幸の記事があります。

その内容をまとめると、

・天皇皇后両陛下をお迎えするため、館山駅前を埋める市民の人垣ができたこと。
・お召し自動車リンカーンが、駅前で両陛下の御到着を待っていたこと。
・お召し列車が、午後0時20分館山駅に到着したこと。
・両陛下は、午後0時30分頃、県立安房水産高等学校に到着され、御座所(校長室)でお食事をされた後、安房水産高等学校の標本室、生徒の化学実験、製造実験等をご覧になられ、約1時間程滞在されたこと。
・その後、神戸村(現在の館山市神戸地区)で乳牛、白浜(野島崎)灯台、千倉築港、和田町(現在の南房総市)の花畑を視察された後、鴨川町(現在の鴨川市)の吉田屋旅館(現在の鴨川グランドホテル)にご宿泊されたこと。


間もなく、子どもたちが楽しみにしているゴールデンウィークがやってきます。
家族で、鉄道博物館を社会科見学し、新しい発見をしてみませんか。


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