2012年7月26日

第2回たてやまオープンカレッジを開催しました!

 館山市中央公民館・中央学院大学共催講座「第2回たてやまオープンカレッジ」を7月14日(土)中央学院大学館山セミナーハウスを会場に開催しました。
 たてやまオープンカレッジは市民の生涯学習への導入的役割りを持たせるとともに市民自ら問題解決へ取り組む糸口となる学習機会を提供する教養講座として開催します。昨年度に引き続き中央学院大学と共催で開催して同大教授陣が講師を務めます。
 「様々なことに興味・関心を持ち心豊かな人生を」を共通テーマに年全6回開催します。
 今回は講師に中央学院大学法学部の白水智准教授をお迎えして「江戸時代の身分制度を考える」をテーマに開催しました。市民ら58名の皆さんに参加していただきました。
講演中の白水准教授

会場の様子

 参加者の皆さんからは士農工商という言葉は何気なく理解してきたつもりであったが士農工商の諸々の疑問点が示され、士農工商について歴史的アプローチや解析方法で丁寧に解説いただき大変分りやすかった。また、今まで常識となってきた事柄が見直されていることを知り江戸時代の身分制度がどのように成り立っていたのか分り歴史を見直す機会となり、また、歴史の見方に一層興味を持つことができたなど感想をいただきました。 

講座概要
(「士農工商」への疑問)
 士農工商以外にも貴族、僧侶、流通業、漁師、炭焼き、なども存在していたので一元的に士農工商との捉え方はしていない。
 武士は支配層に位置するが農工商の間には身分の上下、支配、被支配の関係はなかった。

(「身分」「士農工商」という言葉)
 士農工商とは身分の上下、序列を表すものでなく、世の中の一般的な職業、民衆一般を表現し身分制度を示すものではなかった。

(「農工商」を解き明かす)
 百姓は村単位、村に住むものをいい多様ななりわいを持ついっぱんの村人を総称して呼ぶ。百姓は農工商いずれをも営む場合がある。百姓は田畑を持つ本百姓と農地を持たない水呑百姓とに分れる。水呑百姓でも譜代家持下人を持つ大家族経営を行い財を成した者もおり水呑百姓=貧しい農民とは限らない。

(江戸時代の身分を考える)
 江戸時代の諸制度で実際に現れる身分は武士を上位に位置し、その下に百姓と町人を並べるものである。両者に上下関係はなかった。百姓は多様な職業を持ち「商」「工」に属するはずの海運業や手工業によって財をなした者も多く、町人も商人、職人、漁師、など様々な職を持っていた。

第3回たてやまオープンカレッジのご案内
   日 時: 平成24年9月8日(土) 13:30~15:30
   演 題: まちづくりと法
   講 師: 中央学院大学 法学部 田部井 彩講師
   会 場: 中央学院大学館山セミナーハウス
   受講料: 資料代100円