2012年10月31日

第31回歴史探訪開催!

10月28日(日)に博物館歴史教室「わたしの町の歴史探訪―船形―」を開催しました。

地域の寺社や路傍の石仏を訪ね歩く歴史探訪は、博物館の人気講座です。
今回は50人が参加して、船形地区堂の下・柳塚・大塚・浜三を訪れました。



岩船地蔵尊:石の船に乗ったお地蔵様
 コースは、船形小学校→岩船地蔵→西行寺→大福寺→崖観音→諏訪神社→渋沢栄一磨崖碑→安政築堤→正木清一郎胸像→庚申塔群です。


崖観音:観音様のお顔を拝見

渋沢栄一磨崖碑:初めて見学した人は大きさにビックリ!
今にも雨が降りそうな雲模様。
諏訪神社前にて休憩中
とうとう雨が降り出したため、旧丸山公園へは行きませんでした。残念。

旧丸山公園を望む
  雨が止んだので傘を閉じて見学続行。

正木清一郎胸像
所々で「地元だけど初めて見た!知った!」という声も。
知られざる地域の歴史再発見です。

庚申塔群:江戸時代の庚申塔が7基も!

来年の歴史探訪は那古地区を予定しています。
よろしければご参加ください。

2012年10月29日

シリーズ社会科見学22 世界遺産登録推進 三館連携特別展「武家の古都・鎌倉」

世界遺産への登録を目指す「武家の古都・鎌倉」を共通テーマに、この秋、

神奈川県立歴史博物館
神奈川県立金沢文庫
鎌倉国宝館

による3館連携特別展が開催されています。

最初に開幕した、神奈川県立歴史博物館会場の「再発見!鎌倉の中世」を見学しましたので、紹介します。


神奈川県立歴史博物館の建物は、戦前の国策為替銀行である
旧横浜正金銀行本店(明治37(1904)年建設)をそのまま用い、
国の重要文化財(建造物)と国史跡の指定を受けています。


鎌倉と安房のつながり

治承4(1180)年8月、伊豆国に流されていた源頼朝は、平家打倒を促す以仁王(もちひとおう)の令旨(りょうじ)により挙兵しますが、石橋山の戦いで敗れ、安房国に落ち延びました。

しかし、安房国の豪族安西氏などに迎えられ再挙し、房総半島を北上。武蔵国に入ります。

この過程で、東国武士が続々と参集しました。

同年10月、頼朝は鎌倉に入り、直後の富士川の戦いで平家を破り、東国を制しました。

翌年の養和元(1181)年5月23日、源頼朝は長女大姫の住まいなどを建てるため、安房国の役人に、職人を動員することを命じました。

そして4日後の27日には、安房国の大工が鎌倉に参上し、翌日には棟上げが行われています。

このことが端的に示すように、安房は「内海」とも呼ばれていた現在の東京湾をはさみ、政治の中心地鎌倉に接していたため、大きな影響を受け、歴史が展開していきます。

安房と鎌倉の交流を、現代の私達に教えてくれるのが、やぐら・仏像・密教法具などの仏教文化です。

館山市安東の千手院やぐらや、同水岡の水岡やぐらなど、やぐらが密集する地域は鎌倉の密集地域と重なっています。


千手院やぐら


館山市指定史跡「水岡やぐら」

神奈川県立歴史博物館会場「再発見!鎌倉の中世」



世界遺産登録を目指す鎌倉の地に遺された貴重な文物について、出土品、古文書、古絵図等を中心に、資料が展示されています。

このうち、県立歴史博物館所蔵、保管資料の中には鎌倉研究にかかわった赤星直忠、八幡義生両氏の鎌倉関連出土遺物コレクション(初公開)等があり、鎌倉研究初期における研究成果を知る上でも貴重なものです。



展示の導入部には、やぐらをイメージした展示が行われていました。

画像を明るくしていますが、
実際は、やぐらの中のように暗いです。

安房の出土遺物を代表して展示されているのが、館山市萱野遺跡から出土した三鱗(みつうろこ)文瓦です。


三鱗文瓦(館山市萱野遺跡出土)
鎌倉時代 13世紀  館山市立博物館蔵

この瓦は、現在の安房地域医療センターの建設に先立つ発掘調査に伴い、平成8年に出土しました。

平瓦の凸面に、北条氏の家紋である三鱗文をあしらった叩き文様があることから、萱野遺跡周辺に寺院があったことが推測できます。

北条氏の家紋・三鱗文のある瓦は、鎌倉でも鶴岡八幡宮、建長寺、極楽寺など、鎌倉幕府や北条氏に関係する社寺からしか出土していません。

萱野遺跡の東、千手院やぐらや水岡やぐらがある安東郷(現在の館山市安東・水岡周辺)に、律宗の極楽寺領があったことから、北条得宗家と結びついた律宗寺院の存在が考えられます。


このほか、世界遺産登録推進 三館連携特別展「武家の古都・鎌倉」 神奈川県立金沢文庫会場の「鎌倉興隆―金沢文庫とその時代―」で、

最近発見され、重要文化財級と話題になった「宋版・孫真人玉函方」と、



「宋版・孫真人玉函方」
(中国)南宋~元時代  館山市立博物館蔵

◆ 関連記事
・ 世紀の大発見?!「医者どん」の家に眠っていた幻の医学書 (2012.8.27)


小網寺の密教法具が、館山から出品されています。



千葉県指定有形文化財(工芸品)「小網寺鋳造密教法具」
鎌倉時代   小網寺蔵


文化の秋!

神奈川県立歴史博物館神奈川県立金沢文庫鎌倉国宝館による

3館連携特別展「武家の古都・鎌倉」を見学してみませんか。


「武家の古都・鎌倉」世界遺産登録推進 特別展

神奈川県立歴史博物館会場 「再発見!鎌倉の中世」
    平成24年10月6日(土)~12月2日(日)

神奈川県立金沢文庫会場 「鎌倉興隆―金沢文庫とその時代―」
          平成24年10月13日(土)~12月2日(日)

鎌倉国宝館会場 古都鎌倉と武家文化」
    平成24年10月20日(土)~12月2日(日)

2012年10月27日

「海の幸」を描いた青木繁生誕の地 福岡県久留米市との交流

明治画壇の鬼才-青木繁を生んだまち福岡県久留米市


久留米市は、福岡県南部の筑後地方にある都市。
人口は約30万人で、福岡県では福岡市、北九州市に次ぐ第3の都市です。


JR久留米駅
さすがブリヂストンの企業城下町。巨大タイヤが駅前のシンボル

久留米と言えば、40歳代以上のみなさんには、松田聖子、藤井フミヤ・チェッカーズ、石橋凌などのアーティストを生んだまちとして、馴染みがあるかもしれません。

若い世代では、女優の田中 麗奈さんが久留米の出身。
久留米ふるさと特別大使として、久留米のPRをされています。



青木繁「海の幸」をキーワードとした、館山市久留米市の草の根の市民交流


昨年3月に青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会の皆さんが、青木繁没後100年久留米ツアーを実施され、青木繁旧居保存会の皆様との交流を育まれています。

blog布良・相浜の漁村日記

また、昨年10月には東京高牟礼会(久留米市内の6高校の連合同窓会の幹事会)の20名が、《青木繁》の足跡を辿るため、館山市布良を訪問。

青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会とともに交流を育んでいるNPO法人安房文化遺産フォーラムのガイドにより、「小谷家住宅」や「《海の幸》記念碑」などを見学しています。


◆ 関連記事

福岡県久留米市出身の皆さんが、“青木繁画伯の足跡”をたどり布良を散策されました。 (2011.10.11)




首都圏在住の久留米の出身者や縁故者により組織された「くるめつつじ会」


第13回「くるめつつじ会」の総会・懇親会が、平成24年10月25日(木)、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で開催され、青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会NPO法人青木繁「海の幸」会NPO法人安房文化遺産フォーラムの関係者とともに出席。

約130名の会員の皆さんとの交流を深めました。



代表して挨拶をする小谷家当主の小谷福哲さん(右から2人目)
NPO法人青木繁「海の幸」会事務局長の吉岡友次郎さん(右から1人目)
NPO法人安房文化遺産フォーラム事務局長の池田恵美子さん(右から3人目)


総会では、久留米が産んだ世界最大のタイヤメーカー・ブリヂストンの創業者石橋正二郎の孫にあたる鳩山邦夫・衆議院議員、古賀一成・衆議院議員(東日本大震災復興特別委員長)、大久保勉・参議院議員(財務副大臣)などの来賓が挨拶。


鳩山邦夫・衆議院議員

久留米の政治・経済力の高さを垣間見ました。


記念行事では、東芝科学館の中山純史館長が、「田中久重ものがたり」~情熱と飽くなき探求心を講演。

東芝の創業者・田中久重は久留米の出身。

からくり師から時計・機械の職人に転身し、50歳を越え、蒸気機関の国産化に挑戦。

明治8(1875)年、75歳で東京・銀座の煉瓦街に店舗・工場・住宅を兼ねた店を構え、そこから東芝の歴史が始ったことを学びました。


田中久重は、佐賀藩で我が国初の蒸気機関車模型を製作


懇親会では、久留米の蔵元やJAから提供された地酒や果物なども振る舞われ、久留米の日本酒生産が、京都の伏見、神戸の灘に次ぐ、第3位の規模であることを知りました。



地酒試飲コーナー


講演、懇親会から、久留米の文化力の高さを窺い知りました。

青木繁「海の幸」をキーワードとした、館山久留米の交流をコツコツと積み上げ、草の根の地域間交流が、今後ますます進展することを願っています。

久留米市の皆さん!今後とも、よろしくお願いいたします!!


◆ 関連記事

シリーズ社会科見学7 青木繁生誕の地-福岡県久留米市 その2「青木繁旧居」(2011.9.28)
シリーズ社会科見学9 青木繁生誕の地-福岡県久留米市 その4「坂本繁二郎生家」 (2011.9.30)

2012年10月22日

第5回安房学講座が開催されました!!

第5回安房学講座が10月20日(土)に開催されました。

テーマは「安房地域の地質と火山灰層の追跡」

今回の講師は千葉県立館山総合高校教諭の黒川彰先生
普段の授業で慣れていらっしゃるのか、さくさくお話が進み、あっという間の2時間でした。

しかし、今回は残念ながら都合が合わず講座に出られなかったという方や、地学に詳しくないので出席を諦めたという方もいらっしゃると思います。

そこで、今回の講座内容を少しだけご紹介いたします。

黒川彰先生(講義なう)


①そもそも地学とは?
 地学とは、地球に関するものを扱うという幅の広い学問の分野のことです。今回扱った地質については勿論ですが、星を扱う天体学や、海について調べる海洋学も含まれます。ロマンチックな学問のように思われますが、科学的な分析も行われるサイエンティフィックな学問でもあります。
 また最近は地震や海洋地下資源の発見もあり、注目されている学問です。今回の講座でも、地震による断層などが話題に上がっていました。

②今回の講座で時々出てきた「凝灰岩」って何?
 凝灰岩とは、火山から噴出した火山灰などがに堆積してできた岩石のことです。中でも構成粒子が2mm以下の細粒なものを指します。房州地方で採掘されていた凝灰岩(いわゆる房州石)も有名で、特に鋸山産のものが有名です。
 凝灰岩以外にも砂の利用は進んでおり、かつては白土でビール瓶を作ったりもしているそうです。白土から作った歯磨き粉などは昔からありましたが、もはやリサイクルというレベルを超越した利用のされ方です。

③安房地域でカッコいい地層が見れるところは?
 2010年4月に全面開通した館山市稲から南房総市白浜町までを結ぶ基幹農道(安房グリーンライン)の工事中に発見された大規模海底地すべり地層です。

大規模海底地すべり地層の大露頭

  この地層は、(独)森林総合研究所の現地案内板によると、約200万年前の巨大地震によって砂層が液状化、海底斜面をすべり落ちたものです。砂層が液状化してしまうと、その上に堆積していた他の堆積物も斜面を崩れ落ちるため、地層が分断、回転してしまいます。この地層には上下が逆転したブロックも確認され、この露頭の形成時に激しくかくはんされたことを物語っているとのことです。
 


次回の安房学講座は・・・

11月3日(土) 13:30~15:30
「安房の戦国時代」

講師は千葉県立船橋二和高校教諭
滝川恒昭氏

第30回安房地方PTAバレーボール大会結果

平成24年10月21日(日)に館山運動公園体育館を会場に
第30回安房地方PTAバレーボール大会が開催されました。

南房総市、鴨川市、そして館山市の各市大会を勝ち抜いた
16チームにより安房No1の座をかけて競いました。

館山市からは、第三中・館山小・那古小・館野小が出場しました。


各市大会を勝ち抜いてきた精鋭。















選手宣誓は館山小チーム主将!




















館山市大会もレベルが高いと感じましたが、さすがは安房大会。
そのひとつ上のレベルでの戦いとなりました。

そんな強豪揃いの予選リーグを、第三中と館山小が見事、勝ち抜き
決勝トーナメントに駒を進めました。
那古小、館野小も粘りをみせましたが、残念ながら予選リーグ敗退。
来年、期待しております。

そして、決勝トーナメントですが…。
この日、絶好調の富山幼小が圧倒的な強さで優勝しました。

準決勝では館山小、決勝戦では第三中が対戦しましたが、絶妙な
コンビバレーの前に敗れてしまいました。

優勝した富山幼小チームは11月1日に行われる県大会に出場します。
安房の代表として、思いっきりプレーをしてきてください。

【結果】
優 勝:富山幼小PTAチーム
準優勝:館山三中PTAチーム
第3位:館山小PTAチーム
第3位:勝山小PTAチーム

準優勝の第三中PTAチーム。来年こそは優勝を!
 














日頃、仕事や子ども(お父さんも?)の面倒をみて大忙しの“お母さん”
忙しい中、練習を重ね、この日は最高のプレーを見せていただきました。

本当にお疲れ様でした。

黒板ハウスが「元気な広場」に!!

夏休みに行なわれた「千葉大生が教える!! まちなか塾」の際に、
利用された『黒板ハウス』

家の形をした黒板=黒板ハウス

千葉大学生の手作りです。

まちなか塾では、黒板ハウスを利用して銀座商店街のCMが作製されました。
まちなか塾 CMが完成!! (クリックしてください。CMもご覧になれます。)



その黒板ハウスが、
今度はなんと・・・(・0・)


『元気な広場』に!!

 
遠くからみてもなかなかの存在感。全面が黒板として利用することができます。



元気な広場は、就学時前の子どもとその家族が自由に遊べ、子育て中のパパ・ママ・おじいちゃん・おばあちゃんたちの交流の場にもなっているところです。

詳しくはコチラ↓↓
「館山市 元気な広場HP」

この「元気な広場」に黒板ハウスをおいていただけることになりました。

子ども達にけがないように、千葉大生修繕中・・・。
遊びにくるちびっこたちが、けがをしないように補修中・・・。
木漏れ日と黒板ハウス、なかなか雰囲気があってステキ。



黒板ハウスを通じて、
今まで以上に
子どもたちの交流の場となったり、
子育て中の方々の交流の場となったり、
元気な広場スタッフさんとの交流の場になりますように。

心良く引き受けてくださった、元気な広場のスタッフの皆様ありがとうございます!!
千葉大生さん、お疲れ様でした!!

今後、この黒板ハウスがどのように活用されるのか、
またお知らせしたいと思います(・v・)
ご期待ください☆

『あそびの学校』が開催されます。

開催場所に集まる不特定の児童・幼児とその父母・祖父母を対象に、造形広場『あそびの学校』を開催し、造形(形のあるものをつくりだすこと)を通した地域学習広場が開催されます!!

日時:平成24年11月4日(日)~平成25年10月6日(日)
(詳しい日程は下記表を参照して下さい)

参加者は当日申込み、参加費無料、各日とも定員50名

会場:イオンタウン館山 サンシャインコート

主催:一般社団法人 杜の家アート&コミュニケーション

後援:館山市教育委員会

問合せ:杜の家流山おおたかの森Office あそびの学校 Tel 04-7170-4900

平成23年度のカリキュラムの一部です。
いろいろな物を作っていますね!
ぜひ、ご参加下さい♪


2012年10月21日

文化庁「地域の文化遺産を活かした観光振興と地域活性化事業」 青木繁《海の幸》フェスタ―富崎コミュニティのつどい― 

文化庁「地域の文化遺産を活かした観光振興と地域活性化事業」 
 青木繁《海の幸》フェスタ―富崎コミュニティのつどい― 


青木繁が《海の幸》を描いた漁村、「聖地 布良」を再発見するつどい。

秋のやわらかい日差しの下、10月21日(日)、休校中の富崎小学校体育館を会場に、
青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会 が主催し、地域の力を結集し、開催されました。

参加者は150人、大盛況でした。




富崎地区レク大会が校庭で行われた後、伝説のドラマ「太陽にほえろ」のボン刑事で活躍した俳優の宮内淳さんが主宰する影絵劇団かしの樹が、神話と友情を描いた「走れメロス」を公演。




影絵の後は、対談「宮内 淳vs成田 均」です。


中央が宮内淳さん。右が成田均さん。

宮内さんは、幸せで豊かな生活を実践するための公益財団法人地球友の会の理事長でもあります。

館山市坂田のダイバー・成田均さんは、素潜りの世界記録保持者 故ジャック・マイヨールがイルカから学んだという生き方(地球との共生)を伝えるメッセンジャーです。

20年来の親友という2人が「海からの贈り物」を語りました。


午後からは、「新発見! 青木繁が滞在した明治の漁村・富崎」。



解説をする小谷家当主の小谷福哲さん。

7月に、小谷家住宅から明治時代の貴重な資料が大量に見つかりました。

そのひとつが日本の近代水産業のパイオニアであり、水産教育を始めた関澤明清から贈られた書簡と、精密に描かれた「重要水産動植物図」です。


展示された新発見資料


ほかにも、水産博覧会の褒章状や帝国水難救済会の関係書類などから、近代水産業発展のうえで布良が果たした重要な役割が見えてきました。


関澤明清の書簡の重要性を解説する大場俊夫先生

また、布良崎神社で新たにみつかった寺崎武男の作品が紹介されました。





寺崎は、東京美術学校(現在の東京藝術大学)で、青木繁の一級下であり、二人は確実に同時代を東京美術学校で過ごしています。

寺崎は、イタリアのヴェニスで十数年を過ごした後、大正12(1923)年の関東大震災以降、館山に居を構えます。昭和24(1949)年には、千葉県立安房第一高等学校の名物校長兵藤益男氏の招聘を受け美術講師となり、情熱あふれる講義で生徒に慕われ、校庭に生徒と共に裸体の自由の女神像をテラコッタで表玄関前に建立し、硬派の安房高に一大旋風を巻き起こしました。


新発見資料の解説の後は、語り部「布良星」「タコのうらみ」。

語り部「さくら貝」の庄司民江さんと、館山三中2年の浜田雅子さんが熱演をしてくれました。

真冬の夜、南の水平線上に赤く輝くカノープスは布良星と呼ばれ、危険な海で遭難した布良の漁師の魂だと語り継がれています。


浜田雅子さんのパネルシアター「たこのうらみ」

最後は、婦人会のみなさんが、踊り「いっちゃぶし」「安房節」 を披露。
漁村の民謡は長寿の秘けつ。みんなで楽しく踊りました。




そのほか、体育館をいっぱいに使い、様々な展示が行われました。


南総祭礼絵図の展示

昭和40年代の富崎の風景

青木繁《海の幸》の展示

2012年10月15日

第54回関東ブロック民俗芸能大会。819名の観客が古の舞を堪能しました。

10月14日(日)、館山市の千葉県南総文化ホールで、第54回関東ブロック民俗芸能大会(千葉県教育委員会・館山市教育委員会など主催)を開催し、819名の観客が現代に受け継がれてきた古の舞を堪能しました。




昭和34(1959)年に、東京都の日本青年館で第1回が開催された関東ブロック民俗芸能大会では、11都県(関東地方、新潟、山梨、長野、静岡)に伝承される民俗芸能のうち、地域的特色の豊かなものや伝統あるものが公開されています。


ブロックの別の民俗芸能大会は、全国を① 北海道・東北 ② 関東 ③ 近畿・東海・北陸 ④ 中国・四国 ⑤ 九州の5ブロックに分けて昭和34年から開催され、ブロック別大会とは別に、今年61回目を迎える「全国民俗芸能大会」が実施されています。


関東ブロック民俗芸能大会の千葉県での開催は、昭和42・47年の千葉県文化会館(千葉市)、昭和54年の袖ヶ浦町民会館(当時)、平成2年の成田国際文化会館、平成13年の青葉の森公園芸術文化ホール(千葉市)に続き、11年振り6回目のことです。


大会当日は、国指定重要無形民俗文化財2件を含む、新潟県・長野県・山梨県・東京都・神奈川県・千葉県の7演目が披露され、千葉県を代表し、館山市の洲崎のミノコオドリ(国記録選択・千葉県指定無形民俗文化財)と、神余日吉神社のかっこ舞(館山市指定無形民俗文化財)を継承する2団体が出演しました。


過去に、関東ブロック民俗芸能大会に出演した安房地域の民俗芸能保持団体は、文化財に指定される以前の館山市「洲崎のみろく踊り」【現在の指定名称「洲崎のミノコオドリ」】(昭和35年)、丸山町(現南房総市)の「丸山の三番叟」【現在の指定名称「加茂の三番叟」】(昭和36年)、千倉町(現南房総市)の「忽戸の三番叟」(昭和46年)、丸山町(現南房総市)の「加茂の花踊り」(昭和48年)、鴨川市の「北風原のかっこ舞」(平成3年)の5つです。



第54回関東ブロック民俗芸能大会の演目
(1) 洲崎のミノコオドリ(千葉県館山市:国記録選択・県指定)
(2) 根知山寺の延年(新潟県糸魚川市:国指定)
(3) 雨宮の神事芸能(長野県千曲市:国指定)
(4) 美和神社の太々神楽(山梨県笛吹市:県指定)
(5) 葛西の里神楽(東京都江戸川区:都指定)
(6) 多古白山神社の小田原囃子(神奈川県小田原市:県指定)
(7) 神余日吉神社のかっこ舞(千葉県館山市;市指定)


各演目の終了後、出演団体の演者のみなさんが、文化庁文化審議会専門委員・千葉県文化財保護審議会委員の入江宣子さんから、インタビューを受けました。


「洲崎ミノコオドリ」を演じた田辺真理奈さん、田辺玲花さん、森田向日葵さんは、「小学校1年生からミノコオドリを踊っています。踊りは音頭とりの方から教えてもらいますが、家に帰ってお母さんから習う人もいます。」とインタビューに答えました。





洲崎区長の鈴木恒夫さんは、「関東の大舞台で大役を果たすことができてほっとしています。ミノコオドリを伝承して下さる地域の皆さんに、心から感謝します。」と話していました。






「神余のかっこ舞」の激しい踊りを舞った中間拓也さんは、「先輩の皆さんから、手取り足取りやさしくかっこ舞を教えてもらっています。自分の体が動く限り、かっこ舞を演じていきます。」と力強くインタビューに答えました。






 
高校生たちを指導している神余かっこ舞保存会の加藤善行さんは、「今までも南総文化ホールで演じたことがありますが、今回は、観客の皆さんも各地から来ていて、緊張感が違いました。無事に演じることができて、大きな達成感を感じています。」と話していました。


第54回関東ブロック民俗芸能大会に出演していただいた各団体、あいにくの雨模様の中、来場して下さった観客のみなさん、大会を企画、運営されました千葉県教育委員会、実行委員会の皆様方に、心から御礼申し上げます。


◆ 関連記事
・ 「洲崎のミノコオドリ」と「神余のかっこ舞」が出演! 関東ブロック民俗芸能大会 (2012.9.12)
第54回関東ブロック民俗芸能大会 演目の紹介(その1) (2012.10.09)
第54回関東ブロック民俗芸能大会 演目の紹介(その2) (2012.10.10)
第54回関東ブロック民俗芸能大会 演目の紹介(その3) (2012.10.12)
第54回関東ブロック民俗芸能大会 演目の紹介(その4) (2012.10.13)

2012年10月13日

第一回 新・地区展「船形」解説会開催!!

10月13日(土)、館山市立博物館本館にて展示中の新・地区展「船形」第一回解説会が開催されました。
地元の文化や歴史を紹介していこう、というのがこの企画展の趣旨です。
しかし、当博物館の展示に限らず、古文書や昔の地図などは読めないことが多く、素通りしがちではないでしょうか?

ご安心下さい!!!

そんな方のために、学芸員がわかりやすく説明してくれるのが、こちらの解説会です。
普段中々会うことの出来ない学芸員(展示の準備をしたり史料の研究をしたりしている人)に質問し放題なので、展示内容に興味はあるけど理解できるか心配という方は是非お見逃しなく!

今回は、新・地区展「船形」の解説ということで、「今と昔の地図の違いから読み取れる土地の隆起」、「名主が住んでいた家の位置」などかなり具体的な話が多くみられました。昔の地図を見ただけではわかりにくいところが数多くありますが、写真つきの現代版地図と比較していくとだんだんと位置関係がわかってきます。

「現在でいうとこのあたりになります」

船形の発展に尽力した人々も紹介しています。政治的な有力者が注目されがちですが、今回は産業を発展させた人物にもスポットを当てています。
その人物、写真を見ると、かなり端整なお顔立ちをしているのではないかと思います!ダンディーで素敵なその人物とは・・・

詳細は展示室でご確認下さい
そして、どびんかごの衝撃(?)の正体が明らかに・・・

今回の目玉(?)「どびんかご」
かなり大きいです。

有名な房州うちわの展示もしています。“渚の駅”たてやま内にある渚の博物館(館山市立博物館分館)のテーマ展示「安房の伝統工芸」でも展示していますので、そちらにも是非足を運んでみて下さい。

普通のうちわと何が違うのでしょうか?

次回の解説会は11月10日(土) 13:30~14:30です!


会場
館山市立博物館本館2F 企画展示室

開催期間
平成24年10月6日(土)~11月25日(日)
午前9時~午後4時45分(入館は4時30分)


休館日
毎週月曜日

観覧料
一般:300円(250円)
小中学生・高校生:150円(100円)
※( )内は20名以上の団体
※市民割引料金あり

関連事業
1 展示解説会
    開催日時  第1回:10月13日(土) 13:30~14:30(終了しました)
             第2回:11月10日(土) 13:30~14:30    

    会   場  館山市立博物館 企画展示室
    解  説  員  担当学芸員

2 第31回わたしの町の歴史探訪-船形-    
    開催日時  10月28日(日) 13:30~16:30
    場   所  船形地区(堂の下・柳塚・大塚・浜三)
    講   師  担当学芸員


  ※ 歴史探訪の参加には事前の申し込みが必要です。
    参加希望の方は、館山市立博物館(0470-23-5212)までお電話下さい。

    申込締め切りは10月19日(金)までです。




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