2012年10月15日

第54回関東ブロック民俗芸能大会。819名の観客が古の舞を堪能しました。

10月14日(日)、館山市の千葉県南総文化ホールで、第54回関東ブロック民俗芸能大会(千葉県教育委員会・館山市教育委員会など主催)を開催し、819名の観客が現代に受け継がれてきた古の舞を堪能しました。




昭和34(1959)年に、東京都の日本青年館で第1回が開催された関東ブロック民俗芸能大会では、11都県(関東地方、新潟、山梨、長野、静岡)に伝承される民俗芸能のうち、地域的特色の豊かなものや伝統あるものが公開されています。


ブロックの別の民俗芸能大会は、全国を① 北海道・東北 ② 関東 ③ 近畿・東海・北陸 ④ 中国・四国 ⑤ 九州の5ブロックに分けて昭和34年から開催され、ブロック別大会とは別に、今年61回目を迎える「全国民俗芸能大会」が実施されています。


関東ブロック民俗芸能大会の千葉県での開催は、昭和42・47年の千葉県文化会館(千葉市)、昭和54年の袖ヶ浦町民会館(当時)、平成2年の成田国際文化会館、平成13年の青葉の森公園芸術文化ホール(千葉市)に続き、11年振り6回目のことです。


大会当日は、国指定重要無形民俗文化財2件を含む、新潟県・長野県・山梨県・東京都・神奈川県・千葉県の7演目が披露され、千葉県を代表し、館山市の洲崎のミノコオドリ(国記録選択・千葉県指定無形民俗文化財)と、神余日吉神社のかっこ舞(館山市指定無形民俗文化財)を継承する2団体が出演しました。


過去に、関東ブロック民俗芸能大会に出演した安房地域の民俗芸能保持団体は、文化財に指定される以前の館山市「洲崎のみろく踊り」【現在の指定名称「洲崎のミノコオドリ」】(昭和35年)、丸山町(現南房総市)の「丸山の三番叟」【現在の指定名称「加茂の三番叟」】(昭和36年)、千倉町(現南房総市)の「忽戸の三番叟」(昭和46年)、丸山町(現南房総市)の「加茂の花踊り」(昭和48年)、鴨川市の「北風原のかっこ舞」(平成3年)の5つです。



第54回関東ブロック民俗芸能大会の演目
(1) 洲崎のミノコオドリ(千葉県館山市:国記録選択・県指定)
(2) 根知山寺の延年(新潟県糸魚川市:国指定)
(3) 雨宮の神事芸能(長野県千曲市:国指定)
(4) 美和神社の太々神楽(山梨県笛吹市:県指定)
(5) 葛西の里神楽(東京都江戸川区:都指定)
(6) 多古白山神社の小田原囃子(神奈川県小田原市:県指定)
(7) 神余日吉神社のかっこ舞(千葉県館山市;市指定)


各演目の終了後、出演団体の演者のみなさんが、文化庁文化審議会専門委員・千葉県文化財保護審議会委員の入江宣子さんから、インタビューを受けました。


「洲崎ミノコオドリ」を演じた田辺真理奈さん、田辺玲花さん、森田向日葵さんは、「小学校1年生からミノコオドリを踊っています。踊りは音頭とりの方から教えてもらいますが、家に帰ってお母さんから習う人もいます。」とインタビューに答えました。





洲崎区長の鈴木恒夫さんは、「関東の大舞台で大役を果たすことができてほっとしています。ミノコオドリを伝承して下さる地域の皆さんに、心から感謝します。」と話していました。






「神余のかっこ舞」の激しい踊りを舞った中間拓也さんは、「先輩の皆さんから、手取り足取りやさしくかっこ舞を教えてもらっています。自分の体が動く限り、かっこ舞を演じていきます。」と力強くインタビューに答えました。






 
高校生たちを指導している神余かっこ舞保存会の加藤善行さんは、「今までも南総文化ホールで演じたことがありますが、今回は、観客の皆さんも各地から来ていて、緊張感が違いました。無事に演じることができて、大きな達成感を感じています。」と話していました。


第54回関東ブロック民俗芸能大会に出演していただいた各団体、あいにくの雨模様の中、来場して下さった観客のみなさん、大会を企画、運営されました千葉県教育委員会、実行委員会の皆様方に、心から御礼申し上げます。


◆ 関連記事
・ 「洲崎のミノコオドリ」と「神余のかっこ舞」が出演! 関東ブロック民俗芸能大会 (2012.9.12)
第54回関東ブロック民俗芸能大会 演目の紹介(その1) (2012.10.09)
第54回関東ブロック民俗芸能大会 演目の紹介(その2) (2012.10.10)
第54回関東ブロック民俗芸能大会 演目の紹介(その3) (2012.10.12)
第54回関東ブロック民俗芸能大会 演目の紹介(その4) (2012.10.13)