2012年11月15日

那古寺の県指定文化財「木造阿弥陀如来坐像」が、修理のために東京藝術大学へ

千葉県有形文化財(彫刻)に指定されている館山市那古寺の木造阿弥陀如来坐像が、11月13日(火)の午前、修理が行われる東京藝術大学にお立ちになられました。


搬出の前に
読経をされる那古寺の石川良和住職

那古寺の檀家の皆さんと
東京藝術大学大学院保存修復彫刻研究室のみなさんが焼香されました。


木造阿弥陀如来坐像は、仏像全体の劣化が激しく、平成23年3月11日の東日本大震災時に、頭部が落下していました。

昭和59年2月24日付けで県指定文化財となった木造阿弥陀如来坐像は、那古寺境内の阿弥陀堂に安置される像高140.3cmの仏像で、鎌倉時代初期の制作と推定されています。

千葉県指定有形文化財(彫刻)
「木造阿弥陀如来坐像」


仏像の胎内に、元亨4(1324)年、高橋景綱と平重行が檀那となって修理したことを示す墨書があるほか、像の底には、元禄地震後の那古寺再建期にあたる明和4(1767)年の修理銘があることから、今回の修理は246年振りのことになります。

東京藝術大学大学院保存修復彫刻研究室による、梱包と搬出の様子を画像で紹介します。
その手際のよさは、まさに圧巻でした。
















修理を指導するのは、仏像や古美術の古典技法と修復技術を研究し、平城遷都1300年記念事業のマスコット「せんとくん」の制作者としても知られる、東京藝術大学大学院の籔内佐斗司教授。


檀家のみなさんに挨拶をされる籔内佐斗司先生(左から2人目)
一番左は、那古寺の石川良和住職

今年度中は、修復前の写真撮影や詳細調査、修理方針の検討を行い、平成25年4月以降に修理作業が開始される予定です。


作業の様子を、NHKのEテレが取材をしました。




東京藝術大学大学院保存修復彫刻研究室の活動をテーマにした、ドキュメンタリー番組を企画中とのことです。

放送は、来年の春を予定しているとのお話しでした。

放送日時が決まりましたら、このブログでも紹介する予定です。

阿弥陀様の修理が終わり、那古寺阿弥陀堂に再びお戻りになられるのは、平成26年5月の予定です。


那古寺阿弥陀堂